今日はネクタイのお直しでもっとも多い、ほつれ縫いについてご紹介します。最近は、クールビズや仕事着がカジュアル化して、ワイシャツにネクタイという方は減ってきています。しかし。ネクタイをビシッとしめている方を見ると、カッコ良い!仕事モードって感じます。
ネクタイは大剣、(太い方)小剣(細い方)と呼ばれる、両端の幅の違う帯状のもの。裏側にはネームやループ、かんぬき止めなど細かなディテールがあります。ネクタイを裏に返すと、真ん中が縫い合わされています。
ネクタイを締める時の、引っ張りや、ねじれることで生地に負荷がかかります。当然縫い合わされている「たるみ糸」というものが、切れてほつれてしまいます。
ネクタイは、バイヤスに生地が裁断されているので、縫い合わせの部分にゆとりをもたせて、縫い合わされています。ある程度の伸縮性がないといけないので、1.5cm間隔くらいで糸をたるませながら縫い直します。
ほつれてしまった所の切れた糸は、しっかりと玉どめか、返し縫いをします。ほつれた所より少し手前から、小剣のかんぬきまで、縫い直しました。最後は内側に返し縫いをして、表から見えない所に玉どめをします。
小剣を通すループやブランドネームなども、手縫いで付けられているので、ほつれ縫いのお直しがよく持ち込まれます。お客様が自分でやろうとして、少しやったけど、上手くいかなかったという声を聞きます。意外とすくい縫いや、点どめは簡単なようで難しいです。使う糸は手縫い用の太めの絹糸か、30番のミシン糸を使うといいです。ほつれ縫いは放っておくと、どんどんほどけていきますので、早めにお直しをしましょう。
ほつれ縫いの他にも、大剣の先がすれていたり、太い幅をもう少し細くしたいというお直しもあります。ネクタイをする際、剣先、裏側、ループなどチェックしてみましょう。