今日は、スカートの丈つめをご紹介いたします。私は職業柄、駅の階段やお店の階段で、スカートの裾を引きずっている方が、とても気になります。前は、持ち上げたりしている方がいますが、後ろの裾は、見えないせいか床にべったりついてしまいますよね。汚れを掃いているようにも見えます。それと、電車の中で座っている人の、ロングスカートの裾が気になります。特に、フレアースカートやプリーツスカートなど、けまわし(裾の幅、裾周りの長さ)がたっぷりあるスカートが床についているのが気になります。さらに、自転車に乗る方は、ロングスカートは要注意です。スカートの裾が、車輪に絡まって切れたり、転倒して怪我をしたり…。少しスカート丈を短くして、解消できることもあります。
赤白黒の細かな幾何学プリントが素敵なこのスカート、長さが90cmあります。いわゆるロングスカートです。けまわしは130cmあります。
身長154cmのお客様のものですが、立っていると問題ないのですが、座ってみると、床にスカートの裾がついてしまいます。室内ならまだいいのですが、これが屋外だと、スカートの裾が汚れてしまいます。スカートの長さを検討する際、立って着た場合と、座った場合の長さを必ず確認することをお勧めします。
ウエストがゴムの仕上がりのこのスカート、お客様は二折りしてはいていたそうです。そうすると、ウエスト周りが当然厚みで、ぶくついてしまいます。折り上げただけなので、安定しませんよね。ゴム幅は、約4cmで二折りだと8cm、プラス厚みも考慮して、スカート丈を10cm短くすることになりました。
では早速、お直しを始めます。このスカートの裾は0.7cmの三つ折りステッチです。10cmの丈つめなので、縫い代分1.5cmを考慮して、8.5cmカットします。裾から8.5cm上をチャコで印つけします。
印つけした所をカットします。
カットしたら、両脇線を少し返縫いします。これをしないと、裾の三つ折りをする時に脇線がほどけてしまう場合があります。
次に、裾を三つ折りアイロンをします。
0.7cmのステッチを一周します。
最後は、縫い始めた所を1.5cm位重ねて糸を切ります。通常、ステッチ始まりは、左脇からかけることが多いです。パンツの場合は、内股側から始めます。
裏地も同様に丈つめをします。このスカートは表地より10cm位短い裏地ついていました。透ける素材の場合は、もう少し長く裏地がついていることもあります。
10cm丈つめした結果、座った時に、裾が床につかなくなりました。
スカート丈のお直しは、デザイン、バランスがとても大事です。さらに、実用的なことも考慮して、お気に入りのスカートを長くはくことも、大切だと思います。