今日は、イギリスBBC放送のTV番組、Sewing Bee「ソーイングビー」について。日本ではNHKのEテレで、木曜22:00から放送していました。2024年10月からソーイングビー7がまた放送される予定です。イギリスでは、2013年から、シーズン9まで続く人気番組です。裁縫好きの人には、是非見てほしい番組です。内容は、イギリス全土から事前にオーディションで選ばれた、裁縫のアマチュアの人達のコンテスト番組です。出題される様々な課題を、制限時間内で競うもので、下記のような3段階の課題があります。
①Pattern Challenge(パターン チャレンジ)という、型紙を用いて基本的な洋服を作る。主にスカートが多かったです。
②Alteration Challenge(オゥタレーション チャレンジ)という、用意された服をリメイクする。アイディアや創造力が試されます。
③Mode to measure(モード トゥ メジャー)という、モデルにあった、ドレスなどを作る。フィッティングの力とデザイン、技術力、全てが試されます。
10人くらいの挑戦者から、課題作品が細かく審査され、徐々に脱落者が発表されていきます。最終的には3人が残り、難しい課題をこなし、優勝者が選ばれます。毎回、個性豊かな老若男女のソーイング好きが、悪戦苦闘しながら課題を仕上げていきます。挑戦者たちには、初めてのファスナーつけ、ストレッチ素材の縫製、作ったことのないアイテム、ブラジャーや、ネクタイなども課題にあります。時間内に完成することができなかったり、間違って、焦って、失敗してほどいてばっかりだったり・・・その過程は、裁縫をする人は、特に共感するところが多いのではないでしょうか。審査員の辛口コメントや、細かなチェックで鋭い指摘、愛情ある褒め方、労う言葉はとても見応えがあります。挑戦者達は、お互いジョークを言いながら作業をしたり、励ましあったり、助け合いながら出された課題をに励みます。
NHKで何回か見て面白いと思い、先日Huluで見れることを知り、シーズン1から一気見をしてしまいました。私は、服飾専門学校を卒業したので、学生の時は様々な課題に追われて、こなす日々の連続でした。もらい泣きしそうなところや、「あ〜、私も昔こんな失敗をしたな〜」と思いながら見ていました。就職試験でも実技試験があり、制限時間内に課題を仕上げる大変さを、何回も経験しています。もちろん独立してからは、お客様の洋服をお直しする時も、時間との戦いです。
見どころはたくさんありますが、特におすすめしたい点4つ挙げます。
①イギリスをはじめ、世界のファッションの歴史が学べる。
織物がどのように作られ、発展し流通したかや、有名デザイナーがもたらした流行や影響力など興味深く知ることが出来ます。
②進行役の面白さ。
シーズンによって変わりますが、特に私が好きなのが、クラウディア・ウィンクルマン。作業中の挑戦者達の様子をジョークを交えながら伝えています。彼女のメイクやファッションも魅力的です。
③洋服作りの素晴らしさ、難しさが伝わる。
生地、型紙、附属、装飾などの材料と、ミシン、アイロン、スタンなどの道具、そして裁断、フィッティング、縫製など、洋服ができるまでのあらゆる工程が見れます。
④審査員の評価ポイントとコメント
挑戦者一人一人の作品をしっかり、細かく見て評価しています。良いところ、悪いところをそれぞれきちんとわかりやすく説明しています。
裁縫好きな人は、「ソーイングビー」を見ると、きっと何か作りたくなってしまうと思います。あるいは、洋裁が苦手な人でも、始めてみようかな〜と思うかもしれません。イギリスにファッション留学を将来したいと思う人がいたら、絶対!見て役にたつ番組です。イギリス英語の勉強にもなります。現在、洋服のお直しがメインの私ですが、もともとは、パタンナーでした。自分の服より人の服を多く作ったり、お直しをしてきましたが、たまには自分の服を、時間をかけて作ってみようと思いました。